会社の強み - 自動車

脱炭素社会の未来を担う。電気自動車用のエアコンに搭載する制御機器(弁)の開発。

技術四部ヒストリー

1956年~ カークーラー向け製品の研究開発スタート

1970年~ モータリゼーションにより、事業が爆発的に拡大

1981年~ 初の海外拠点(アメリカ)進出

2000年~ EV(電気自動車)向け製品の研究開発スタート

2021年~ 電気自動車普及協会へ加盟

2022年~ 世界の市場に通用する製品開発を続ける

ハードからソフトウェアまで新技術の電動弁開発へ

電気自動車の新車販売台数は年々増加し、2030年にはおよそ50%のシェアを占めると予想されており、そのシェアを伸ばしている。不二工機では家電分野で培ったノウハウを土台にカーエアコン用の制御機器を開発。国内はもちろん、海外においても十分なシェアを誇っている。
カーエアコン用の制御機器(弁)は、膨張弁、電磁弁、電動弁などがあるが、なかでも近年、販売台数が増加している電気自動車用のエアコンに搭載する電動弁に特化して開発を進めているのが技術四部だ。同部では、バルブやコイルなどハード部分の開発から回路やソフトウェアなど制御部分の開発までを担っている。

“大和証券:EV化がもたらす変化より引用” https://www.daiwa.jp/products/fund/201802_ev/change.html
成川

技術四部はメカのグループと制御のグループが常に意見交換をしながら開発を手掛けており、これから進化していく分野の製品開発に携わることができる点は魅力だと思います。技術部門の全体にいえることですが、アイデアを提案しやすい雰囲気があり、風通しのよい職場環境なので能力を発揮しやすいはずです。

電気自動車用のエアコンに搭載する電動弁の開発がスタート

カーエアコンの分野では小型で軽量、高性能なアルミボディの膨張弁を開発し、メーカーから好評を得て国内外にシェアを広げていく。一方で、家電用エアコンの制御機器は省エネ対応で膨張弁から電動弁へ移行が進んでいた。
カーエアコン用の制御機器の主体は膨張弁だったが、2010年ごろに大きな転換期が訪れる。脱炭素社会の実現に向けての取り組みが活発になり、自動車メーカーや、車載用エアコンのシステムメーカーから電気自動車用エアコンに使用する制御機器への問合せが増加。こうしてカーエアコン用の電動弁の開発が始まった。もともとカーエアコン用の膨張弁を製造していた実績に加え、家電用の電動弁をすでに供給していたことも開発への追い風となった。

荒井

従来のガソリン自動車のエアコンは冷房のみ行い、暖房はエンジンの排熱を利用して車内を暖めています。電気自動車になると、エンジンの熱源がありません。冬場の熱源確保のため、カーエアコンをヒートポンプサイクルとして暖房が出来るように、新たな要求仕様を盛り込んだ、車載用の電動弁の開発が始まりました。

メーカー側も私たちも、困難な技術的課題に真摯に向き合い電動弁が完成

家電用エアコンで培ってきた電動弁のノウハウと、カーエアコン用の膨張弁の技術を融合させていくところから取り組み、試行錯誤を続けていくなかで、2012年ごろに第1弾の電動弁が完成する。2013年にBMWの電気自動車、2016年にトヨタのPHEVのエアコンに搭載され、市場にデビューを果たした。
カーエアコン搭載車は北欧など極寒の地域からサハラ砂漠のような酷暑の場所まで、同じ車両が走る可能性があり、また車両の振動や衝撃などの厳しい条件下でも正しく作動しなければならない。そのためメーカーからの要求は厳しく、週に何度も打合せ、スペックやボディの形、レイアウトなど、細かな要求にもひとつずつ向き合い解決していった

荒井

メーカー側も私たちも、両者にとって車載用の電動弁は新しい取り組みなので、全員が手探り状態で進めていく感じでした。そのなかでメーカー側からの要求にはスピード感をもって対応することや、誤った方向に開発が進まないように、正確なアウトプット(回答)が出来るように注力しました。

制御システム内蔵の電動弁の開発に踏み出す

弁の開閉などをシステム側で制御していた電動弁から、バルブの細かい動作や電気の供給条件なども自社製品内で制御するシステムを搭載した電動弁の開発が本格化する。制御機器に関する長年培われてきたノウハウを活かしながら、システム構築や回路設計などを担える経験者を採用し、ソフトウェア開発も強化。また、これまで電子機器を担当していた社員は新たなスキルを身につけて、仕事の幅を広げ活躍している。
課題であった量産に耐えられる開発プロセスについては、リスクのない安定した品質の制御システムを搭載した電動弁を市場に出せるように、外部コンサルタントも起用してプロセスの構築に尽力した。

成川

ソフトウェアを実装した製品を安定して量産することは、これまで経験のない大きなチャレンジでした。まず一般的なシステム開発のプロセスを学び、それを不二工機の製品開発の手順に当てはめて、量産の体制を築き上げました。

ハードとソフトの相乗効果で電動弁の能力をさらに発揮させる

制御システム実装の電動弁は、これまで受注生産がメインだったが、2010年ごろから取り組んできたノウハウが蓄積されたことで将来的には新しい自社製品の開発も視野に入れている。制御システムとバルブ本体や中の駆動部を一体化させるなど、それぞれの性能をもっと引き出せるような新しい試みにも意欲的だ。技術四部はハードとソフトのどちらも手掛けている部なので、常にコミュニケーションをとりながら新しい製品開発に取り組めるのがメリット。次世代のシェアにつながっていく製品が生まれる可能性が広がっている。

成川

100周年を迎える30年後は、2050年カーボンニュートラル社会の目標実現の年を迎え、環境対応が考えられた製品がより求められる時代がやってきます。すでに貢献できる製品開発に携わっている感覚はありますが、さらに時代の流れにのり、トップを走れるよう挑戦できる環境は整っていると思います。

メッセージ

成川

一人だけでは技術開発の仕事はできません。個々に能力が高い人は大勢いますが、それぞれが上手く交わらないと良いモノは生み出せないと思うので、人とのつながりを大切にしてモノづくりに取り組める方と一緒に働けることを楽しみにしています。

荒井

私たちが手掛けている製品は、市場に出ても人目にふれる機会はほとんどありませんが、確実に社会に貢献できる製品です。
自分が関わった製品が世の中に出て良かったなあと、モノづくりの喜びを分かち合える方と仕事をしたいと思います。

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