これからの不二工機 - 中期ビジョン
創業の地目黒区で数人で立ち上げ。
当社への引き合いが増える。
当社カーエアコンバルブが爆発的に拡大。
当社の高性能自動制御装置が市場ニーズとマッチ。第2の拡大期。この時期に海外進出を強化。
脱フロン対応のインバーターエアコンの急成長、当社の新型バルブが世界的に拡大。
不二工機グループの連結売上は約900億円、グローバル従業員数は約5000名となりました。今やグループの売上の70%が海外となる。
当社の新型電子式バルブが急拡大、持続的成長が確実になる
100周年を迎え、さらに持続的な成長をする。
世界的な脱炭素の潮流により、エアコン関連市場は新たな時代を迎えています。家庭用・業務用エアコン(以降、空調用エアコン)においては、数年前から中国で高機能なエアコンが爆発的に伸び、カーエアコンにおいては、車両の電動化によって業界全体のフェーズが変わろうとしています。業界を見渡すと、ビジネス機会が大きく増加することが想定される電動車分野では既にシェア争いが始まっており、中期的には更に熾烈な競争となると考えています。当社はここに中期ビジョンを構え、電動用カーエアコンのバルブを世界中に供給することで脱炭素化社会に貢献し、車載ビジネスにおける大きな足場を作る計画を立てています。
具体的な話をすると、従来のガソリン車からEVになることで、エアコンはエンジンの熱源を利用することが出来なくなり、構造の複雑化が進みます。EVに求められる技術は空調用エアコンに採用されているものに親しいものがあり、車業界にとっては新しいのですが、当社は35年以上もの間、空調用エアコン向けバルブを事業の柱の1つにしてきましたので、そのノウハウとスケールメリットを大いに活かせる強みがあります。
グローバルでエアコン用のバルブ事業を大規模で行なっている企業は、現在10社未満。そのうち空調用エアコンと車載用エアコンの両方を各々数百億円規模で展開しているのは、当社と、もう1社だけだと考えられます。技術力についても当社にアドバンテージがありますので、これを活かして、シェアを拡大していきたいと思っています。
2021年から当社の電動車関連売上は伸び始め、2025年まで着実に成長していく見通しですが、中期ビジョンの最終フェーズである2025年頃からはもう一段の市場拡大を見込んでいます。2025年には、この11年で築いた電動車分野における足場が大きく花開き、グローバルで1000億円レベルに到達し、新たな市場でのポジショニングもある程度明確になっているのではないか、と考えています。その変化に耐えうる組織を作るために、今までにない戦略や人員が必要になっています。
当社はシェアを更に拡大し、勝ち残っていくために、解決しなければならない課題が2つあります。
1つ目は会社として戦略的な決定を行なう体質になること。業界柄、お客様からのニーズに応えていくことが至上命題で、ある種受け身でも事業が成り立ってきたものですから、自分たちが戦略性を持って、商売を選択する会社ではありませんでした。しかし今後は市場が変化するにつれて、「続けるビジネス」と「辞めるビジネス」を選択していかなければなりません。物事を選択していくのが苦手な会社でしたが、自分たちで考えて、挑戦し、お客様に選んでいただける会社になることが、今後の成長の鍵になるでしょう。
2つ目の課題は、管理面の強化です。中期ビジョンの達成には、売上や利益を瞬時に、それもグローバルで把握することが大切になってきます。そのために、管理部門を拡充し、ガバナンスをよりハイレベルなものにしていくことが求められているのです。今までは、部品メーカーとしてお客様のニーズに最大限応えることが売上と利益の拡大に繋がってきましたが、そういう環境ではなくなってきました。「技術と営業」で成長してきた会社がさらに進化するためには、管理部門を強化し、殻を破ることが不可欠です。今までしてこなかったことをするので、管理部門の専門職というポジションを作って、高度なスキルを持つ方を採用したいと考えています。管理部門のプロフェッショナルは、法務や国際税務・会計関連業務に携わっていただくことを想定しています。いずれの業務も製造業での経験が必須ということではありませんので、異業界の方も安心していただきたいですね。
中期ビジョンですが、空調と車載分野における成長のロードマップは分けて考えています。空調分野では、中国や欧州市場の拡大により緩やかに成長していくので、既存の発展という形でこれからも進めていきます。一方、車載分野は業界含めステージが大きく変わるため、数年前から既存と新規ビジネスの整理に着手しています。EV化が本格化する2025年以降は、それまでのピラミッドによる縦の系列が崩れてきて、業界の垣根がなくなってくると考えられます。EVではエアコンの熱源でもあったエンジンがなくなり、カーエアコンの構造そのものが変化するため、半ば君臨していた既得権のようなものは消え、サプライヤー間にあった高低差が均されるのです。業界にも新たなプレイヤーが参入してきて、既存の商圏とは大きく異なる競争関係が生まれてきます。
この大々的な変革に耐えうるための土台を、2025年までに作る必要があります。これまでにないニーズに応え、多くの引合いに対応しビジネスをどこまで獲得できるかが、分水嶺になりますね。そして、2025年以降に向けた投資規模も大きくなっていきます。2030年までにはこの種まきを回収したいと考えています。そうした中期ビジョンとその先の成長を確かなものにするための「プロフェッショナル採用」は、我々にとってビッグバンだった、とも思っています。専門職=そういう人たちが必要なフェーズに来た、と会社の中でコンセンサスが既にできています。今までは、経営に近い人材を外部から登用する必要がなかったんですね。しかし今は、会社として新しい取り組みをするためのリソースが不足している認識があるので、マインドも含めて受け入れ体制が進んでいます。専門職である、というところに中期ビジョンの特徴が表れていますね。
2030年までにある程度、勝負は決するかな、と思います。そこまでは全力で走りきりたいです。
あなたと不二工機、100周年を創りたい
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